CSRサイトのあるべきWeb戦略
必要なコンテンツだと分かっていても、どのようなコンテンツをどのように見せればよいのか不明瞭なのが、「CSR」に関する情報提供でしょう。「CSR」についての正しい理解と、どのようにWebサイトにコンテンツを反映し、評価するのかを理解したうえでCSRサイトの構築・改修を行う必要があります。
CSR活動に関して担当者が抱える問題・課題
- どんな情報、コンテンツを掲載したら良いのかわからない
- 「CSR報告書」を掲載する以外に有効な施策はあるのか?
- 他のコンテンツとどのように連動すれば効果的なのかがわからない
CSR活動をとりまく背景
「CSR=イメージ向上プロモーション」という誤ったとらえ方
まず必要なのは「CSRの意義を正しく理解」すること
CSRサイトやCSRコンテンツなど、Webサイト制作の現場でもしばしばテーマにあがる「CSR」ですが、CSRに対する理解は企業ごとに格差があるようです。「環境に考慮していることやゴミ拾いをしていること」「地域のお祭りに参加していること」などの紹介ページを作り、情緒的で詩情豊かな文章で飾られたエンターテイメント的な要素としてCSRコンテンツをWebサイトに掲載しているケースもしばしば見受けられます。
これらは「CSR=イメージ向上プロモーション」という誤ったとらえ方をしていることが背景にあると思われます。
そのような誤った認識にとらわれないように、企業のWebサイト担当者として正しく理解しておく必要があります。CSRの意義を正しく理解したうえで、自社がどのような活動を行っているのかを把握し、それらの告知チャネルとして有効に機能させることが企業のWebサイトに求められているのです。
「Webサイトのユーザー」を広げて考える
Webサイトの関係者は、企業担当者も制作会社もユーザーを狭義にとらえがちです。しかし、あなたの会社のCSR活動で対象となるのはステークホルダー(あなたの企業を取り巻く人々)全体なのです。Webサイトを企業のコミュニケーションチャネルとしてみた場合、ユーザーになりえる人はそれだけ多方面にいるということです。
売り上げを上げる、マーケティングをする、サポートをする、ブランディングをする……今現在でもWebサイトが果たす役割は多岐にわたっていますが、今後 CSRが企業活動として定着することを考えれば、あなたが担当するWebサイトの役割はさらなる広がりを遂げるでしょう。企業Web担当者として、これまでの狭義なユーザーにとらわれない柔軟な発想が求められるのです。
企業を取り巻くステークホルダーはおおよそ下記のように分類されます。
- 消費者
- 産業界
- 従業員・労働者
- 学術・研究分野
- 政府・団体
CSRサイトに求められるWeb戦略とは
「CSRコンテンツ」として必要最低限のもの
本来の企業活動をどのようにCSRコンテンツとしてWebサイトで伝えることができるか
それでは、企業サイトにおけるCSRコンテンツについて、具体例をあげていきましょう。CSRとはそもそもWebサイト上だけでのことではありません。本来の企業活動において重要な取り組みについて、それらをどのようにCSRコンテンツとしてWebサイトで伝えることができるかをまとめました。
指針・考え方 | : | 今現在~将来・未来を見据えて、現時点~直近のアクションの必然性を説明する。 |
---|---|---|
具体的な実施事項・プラン・体制 | : | 内容だけでなく、アクションプランとしていつ・何を・どのような体制で行うか説明する。 |
報告と成果 | : | 実施内容の達成度を説明する。 |
外部からの評価 | : | 外部の客観的な視点で、自社のCSRに対する取り組みがどのように評価されているかを説明する。 |
双方向であること | : | 説明内容が十分かをユーザーにも意見をもらう。 |
コンテンツを用意すればすべてうまくいくわけではない
他部署との連携と、更新を前提にした拡張性のある設計が重要
上記にあげたような有効なコンテンツを用意すればすべてうまくいくかというと、そんなに簡単ではありません。
CSR担当部署が専門の部署として存在する企業もあれば、複数の部署に担当が分かれている企業もあります。企業のCSR活動を説明するコンテンツをWebサイトで制作・維持していくには、これら多くの部署と連携する必要があります。
会社が実施しているCSRの取り組みが誤って伝えられたり、掲載されていなかったりということがないように注意しましょう。Webサイトでコンテンツ化することで、顧客サポートなど複数の部署にまたがる事柄が社内横断の施策としてまとまっていった成功例も存在します。
IRコンテンツほどではないですが、CSRコンテンツについても更新は必要です。
コンテンツの例であげた「指針・考え方」「実施事項・プラン・体制」「報告と成果」などは、少なくとも年度ごとの更新が必要になります。また、CSR活動自体が過渡期にあることから、現在実施していない分野についての取り組みが将来的に追加される場合も想定されます。
つまり、CSRコンテンツは更新とコンテンツ拡充の両方が成り立つように拡張性をもって設計することが必要だといえます。
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